電子出版のススメ

鎌倉の街の樹々も少しずつ色づきはじめ、風も冷たくなってきて気持ちの良い季節ですね。ファブラボ鎌倉のmasakoです。少し前に電子出版にチャレンジしましたので、出版に至った経緯と制作プロセスについてご紹介します! 

私は2012年3月よりファブラボ鎌倉の運営に参画し、主に子ども向けのワークショップの開発&実施と、各種講習会のコンテンツと資料の作成を担当しています。小学生と保育園児の子どもがいることもあり、これからの教育の動向に、個人によるものづくりの流れにと、ファブラボ鎌倉の周りで起きていることへの興味は尽きませんが、現実は目の前の家事育児に追われる毎日をすごしています。

Kindle 電子書籍「ゴミ箱行きにならない小学生の自由研究」

そしてファブラボ鎌倉での活動とは別にもう1つ、子育てを通じて知り合った仲間2人と地元世田谷の二子玉川周辺で母親のものづくりを広める活動をしております。小学生の夏休みと言えば自由研究!ということで、自分たちのアイデアをいくつかピックアップして作り方をまとめ、電子書籍として出版しましたので、今回はその内容…ではなく、電子出版についてご紹介します。

さて、電子出版と言えば、Amazon.comのKindleという電子書籍の販売・流通サービスをご存知の方もいらっしゃると思います。このWebサイトで、試しに「自由研究」と検索してみてください。すると、なんと小学生が自分の自由研究を出版しているではありませんか!おそらくご両親のどちらかが後で紹介する手続きをクリアされているのだとは思いますが、小学生が自分の自由研究を出版してしまう時代なのかと驚きます。出版した側にとっても、閲覧された回数やレビューがもらえることがあれば励みになりますし、レポートを作成するモチベーションにもなりそうです。

Kindleで「自由研究」と検索した結果

ともあれ、まずは自分で出版してみるところからはじめたいと思います。どうしたらよいのでしょうか?早速手分けして電子出版について調べたところ、電子出版に必要なステップは大きく3つに分けられそうです。()内は私たちが取った方法です。

  1. 執筆 (Pubooオンラインエディターを使用)
  2. 出版手続き(Kindle Direct Publishing(KDP)アカウント作成、印税・送金に関する登録)
  3. 入稿 (変換ソフトSigilでePub3形式に変換し、KDPへファイルをアップロード)

しかし何事も自分にとって得意な分野と不得意な分野の組み合わせになっているものですよね。。私は1.や3.の作業は好きですが、2.が苦手。。。ところが各種手続きが得意な人もいるのですね!手分けしながら作業を進めることができるのも、共著のメリットでした。

1. 執筆

まずはコンテンツです。自由研究のアイデアは各々のバックグラウンドを活かしたものを持ち寄って取捨選択。少なめではありますが、1人2案、計6案で出版することに決めて掲載する作品のサンプルを作成・撮影し、必要に応じてPhotoshop等の写真加工ソフトで文字や色などの加工をします。

Kindle出版物の閲覧には専用の端末もありますが、スマートフォンにKindleアプリをダウンロードしてインストールすれば、通勤中や空き時間にそのときの気分にあった本を読むことができるので、私もよく電子書籍を読みながら通勤しています。そういった端末の小ささや実際に読んでもらうときの敷居の低さも考え、4ステップで理解できるビジュアル多用のライトな実用書を目指すことに。

Puboo「ページの作成・編集画面」

実際の執筆作業には、私たちはPubooというWeb上のサービスを利用しました。PubooはGMO社が運営する個人向け電子出版サイトで、作家として登録するとブラウザーベースの電子出版エディターを無料で利用することができます。他に執筆に利用できるサービスはあったと思いますが、決め手はKindleへの入稿に必要なePub形式の出力ができること*と、オンラインで利用できることでした。(*注: 実際にはそのままのファイル形式では入稿できませんでした)

エディターはシンプルながらも使いやすいものでした。デザインに凝るには不向きですが、電子書籍そのものが表示される文字のサイズなども閲覧側で変えられてしまうことを考えると、デザインよりも編集のしやすさが優先されていることをメリットとしました。

また、小学生向けの書籍にルビは欠かせないものでしたが、エディターに備えられているボタンからソースコードを一部編集することでルビを振ることもでき、痒いところにも手が届いて驚きました。

あらかじめ話し合って決めたレイアウトでフォーマットを整えてから、互いに自宅で内容を確認しながら執筆を進めていきました。その点でもオンラインエディターは共著向きでしたね。

また、電子書籍は表紙のデザインが重要となるそうです。私も入稿後に他の出版物と並んだ状態を見て”しまった!”と思い、何度かフォントや色合いなどを修正しました。表紙全体が小さなアイコンになってしまうので、はっきりとタイトルが目立つように、そして全体がごちゃごちゃしないようにするのがよさそうです。Pubooでも表紙を1枚の画像としてアップロードすることができますので、本のイメージに合わせたデザインにしてください。

2. 出版手続き

執筆と同時進行で進めたいのが出版のための手続きです。出版者としての登録の他、特に時間がかかるのは米国税免除のための手続きですので早めに進めておきます。

Kindle Direct Publishing(KDP) アカウントの作成

kindle direct publishing アカウント登録画面

1) 内国歳入庁(IRS)に、記入した Form W-7「Application for IRS ITIN」または Form SS-4「Application for EIN」をFAX送信

2) IRSから番号発行の書類が届く

3) KDPアカウントの「税に関する情報」に番号を登録。(*認証に少し時間がかかります)

  • 支払い口座の登録。ただし、米国からの送金手数料は意外とかかるそうです。手間でも、送金手数料無料の口座(新生銀行/CITIBANK)開設をおすすめします。

個々の出版に関して決めること(印税、権利等。設定は出版時)

  • 印税(ロイヤリティ。売り上げの内収入となる率)を、35%と70%のどちらにするか

70%:  Kindleでの独占販売。販売価格は250〜1250円の範囲内。配信コスト(¥1/MB)が引かれる。最大5日間の無料キャンペーン実施可

35%:  他のサイト(楽天Kobo等)でも販売できる。最安価格(99円)〜最高価格(2万円)で販売可能。

私たちは99円の価格設定、他のサイトでの販売なども考えて35%を選択しています。

このロイヤリティの他、個々の出版ごとに世界の各地域ごとに権利を設定することができます。

3. 入稿

出版手続きと執筆が完了したら、いよいよ入稿です。

Pubooではepub、pdf、mobiという3つの形式で作成した書籍を配信・入手することができます。まずはepub形式で手元にダウンロードします。そのepubファイルをKindle Direct Publishingへアップロードすれば完了! …と思っていたら、何と形式が異なるためエラーとなってしまいました。そこで、変換ソフトSigilをダウンロードして利用してePub3形式に変換しました。

変換後のePub3ファイルと表紙の画像データを準備して、いざKindle Direct Publishingへ!

KDP「新しい本を作成」

「新しい本を作成」というメニューから、タイトルや説明、ロイヤリティ(印税)、権利などを指定し、ファイルをアップロードして入稿完了です。

KDP 書籍ページ

しばらくすると、Kindleのサイトに書籍が並ぶことになります!


2.の税や送金手続きの理解には時間がかかりますし、その設定(特に送金用口座の選択)を誤ると収入どころかマイナスにもなりかねませんので注意する点だと思いますが、一旦アカウントが設定できれば気軽に電子出版をすることができるようになります。

尚、上記は2015年7月時点での情報ですので、今後、税制や送金手数料に関して変更などがあることはあらかじめご了承ください。

意外と簡単だと思っていただけたら、ぜひ電子出版をしてみてください!また、出版された際にはぜひ書籍の紹介&情報のUpdateのご連絡をいただけると嬉しいです。

by masako

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