How To Grow (Almost) Anything レポート No.2

いつも以上にフル回転させているせいか脳がホカホカ暖かい今日この頃。その訳はHow To Grow (Almost) Anything というバイオ(主に合成生物学)の講座をファブラボのネットワークで受けているからです。学生時代は「ただ覚えるため」の勉強をしていたので、生物で学んだことをほとんど忘れてしまい、今少しずつ学び直しているのですが、学んだことを元に手を動かす・実践に移すんだと思うと自然とワクワクして、この分野に対する興味や好奇心が過去と現在の自分では格段に違う気がします。それでは、Mioさんのレポートに続いて授業を紹介したいと思います!

Class 3 : Synthetic Minimal Cells

Synthetic Minimal Cellとは最小限の要素で作られた細胞のことです。(この人工細胞は分裂・進化できないので「生きている」わけではなく、放っておくと数時間でバラバラになります。)基礎実験や問題解決、生命の起源を理解する上で使われます。例えばある特定の化学物質を大腸菌に認識させたい時、大腸菌にその認識機能がないと大腸菌を改変しなくてはならないですが、化学物質を認識して大腸菌にそのことを伝える機能を備わったminimal cellを作れば大腸菌はそのままで実験することができます。

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ケンブリッジが提案したSynthetic Minimal Deodorant

この週の課題はsynthetic minimal cellをデザインすることで、ケンブリッジのラボは体臭を取り入れてバナナの匂い(!)を放つ細胞を提案しました。

Class 4 : Next Generation Synthesis

ゲノムの塩基配列を解析する技術(次世代シーケンシング)の急速な発展のおかげで様々な生物の塩基配列データがGenBankに公開されています(2013年で1500億塩基対)。その一方で、DNAを合成できる量は世界中の企業を合わせても年間100万塩基対。人間のゲノムの約12分の1の量です。DNAを合成する量とスピードを上げるため、解析で使用されているのと同じようなDNAチップを使った合成技術の開発が現在進んでいます。

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授業の様子

ベクター(DNAの分子)の増幅をするためにはプライマーというDNAの断片が必要です。増幅に適しているプライマーと適していないプライマーをpUC19という大腸菌のクローニングベクターで特定することが今週の課題でした 。

Class 5 : Bio production

イースト(酵母)を発酵させることでビールが醸造されるように、Ginko Bioworksでは大腸菌や酵母の中の代謝経路を変えることで香料、燃料、薬品といった原料を生成しています。今まで行われた研究の論文を読んだり、それらを元にマッピングされた代謝経路をたどれば、微生物から様々なプロダクトを生成することができるのです。でも実際に微生物にない酵素をいれた時、うまくプロダクトが生成できなかったり、調整をする必要があったりとたくさんの試行錯誤が行われるのだそうです。

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マッピングされた大腸菌の代謝経路

代謝経路をデザインすることが今回の課題で、ルツェルンのラボはラクトバチルス・ヘルベティカスという菌で乳酸 を生成して3Dプリンタで使える生分解性フィラメントを作ることを提案しました。

レーザーカッターで板を切って手で組み合わせる、3Dプリンタでフィラメントを積層させて立体を造形することが今は一般的になっていますが、分子というミクロな視点から素材を見つめ直したり、自然の要素を使ってエンジニアリングをすれば違うスケールや次元でものをmake(作る)のではなくgrow(育てる)ことができるはず。細菌を混ぜ込むことで自己修復するバイオコンクリートKonbucha (紅茶キノコ)人工的に合成したクモの糸でできた衣服など、新しい素材が開発されているなかで家庭でも気軽にできるバイオ(DIY bio)が少しずつ広まり始めてきています。バイオとファブが融合した時、私たちはどのようなものを育てるのでしょうか?

by yumi

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