【鎌倉研修日記 vol.14】

北海道栗山町地域おこし協力隊の岡です。

鎌倉研修では、2020年1月からはじまるFabAcademyの前準備として、ファブラボ鎌倉オリジナルのプレ講座というものを受講しています。いよいよFabAcademyが始まるんだなという雰囲気が出てきました。そのほか基本的な2Dや3Dデータ作成方法を学ぶためのFAB BASICを受講しながら、朝ファブ、カマクラビットラボをサポートをしていきました。

Fab Academyプレ講座受講

FabAcademyの事前準備講座ということで、ブレッドボードの構造とマイコンの書き込み方をPhoto Transistorを使って実践形式で学んだ。Academy本番では電子基板を何回も切り出すことになるが、その前に今回学んだ技術を生かしてテストを行うとスムーズに進行できるということだった。

ファブラボ鎌倉_01

電子回路デザイン用のソフトウェアであるEagleの操作画面。回路図を完成させたのちに、実際の電子回路のレイアウトとなるパターン図をひき、完成したところをキャプチャしたもの。赤い線が電気の通るルートでお互いが干渉しないように描かれている。複数ある四角は回路と電子部品が接着する部分でそこにパーツをのせはんだづけしていくことになる。上手く線を引くためには工夫が必要で部品の下を通したりしているのもその一つである。この画を画像データとして書き出し、銅板を削り出すことの機械で削っていく。赤くなっているところ以外が削られていき、残った銅の部分が回路として機能する仕組み。

FabAcademyで行う基板切削を行うために必要な基板のデザインについて学習した。Eagleというソフトウェアを使用し、回路制作に必要なパーツを並べて繋げ回路図を描き、その回路図を基に実際の配置を考えてパターン図というものを制作していく。回路図はあらかじめ用意しておくライブラリ内にあるパーツを探し出して並べる必要があり、パターン図は各パーツや配線同士が干渉しないように作成していく必要があるなど、ポイントポイントで注意点があるのでそれに注意しながら作成を行なった。

プレ講座

アドバイスをくださるインストラクター FabAcademyには数名のインストラクターの方がついており、適宜アドバイスをくださっている。プレ講座でも毎回3名のインストラクターの方がつき、手厚い体制のなかで我々はAcademy受講の準備に励めている。インストラクターは皆さんFabAcademyの卒業生であり、それぞれ他にお仕事を持ちつつ、休日などを使ってFabAcademyに関わってくださっている。写真右に写っている岡崎さんも2015年にAcademyを卒業されている。

 

Fab Basic : 3Dデータ作成講座 

Fusion360というモデルングソフトを使った3Dデータの作成と、そのデータを3Dプリンタを使用して実際に出力するという講座を受講した。

FABBASIC_01

完成したマグカップの3Dデータを3Dプリンタで出力。Fusion360の基本的操作を学ぶためにまずはシンプルなマグカップをデザインしていった。それが出来上がったら、そのデータをstlファイルという形式で書き出してAFINIA H400という3Dプリンタで出力を行なった。

Fusion360には粘土のように形を変えながら造形していくソリッドモデルと主に2種類のモデリング手法があり、今回は前者の作り方でモデルを制作していった。以前は作業平面という概念がよくわからなかったり、いきなりボディーを作るということとスケッチを描いてから押し出して形を作るということの違いがよくわからないまま制作を行なっていたが今回改めて基本的な内容をしっかり教えてもらったことによってしっかりと理解できるようになった。

FABBASIC_02

講座最後に挑戦した応用問題。Fusion360の操作にある程度慣れた終盤に、形をみてそれを真似て作るという課題にチャレンジした。近しい形はできたものの、作り方が少し違ったため形もわずかに違うように見えたが、3Dプリンタで出力した際にはさほど変わらないと思うので完全に同じでなくても大丈夫とのことであった。同じ形を作るのでもアプローチ方法は無数にあり、どれが答えということはないというお話を聞いて3Dデータの造形は奥が深いなと感じた。

 

カマクラビットラボ

小学生向けに実施している、片手に収まる大きさのプログラムできるマイクロコンピューターmicro:bitを使用したデジタルものづくり教室のカマクラビットラボ。小さな受講生は、超音波センサーを使い障害物を感知し迷路を自力で進んでいくようにプログラムをしたが、直角に曲がるためのセンサーの設定でみんな苦戦していた。

カマクラビットラボ_01

カマクラビットラボでプログラミングを行なっている様子。センサーが反応したときのマシンの動きのプログラムをテキストを見ながら作成している。

ネオピクセルと呼ばれるテープ型のLEDを使用して、アクリル板を照らし出す照明の様なものを制作する授業の補助を行なった。ネオピクセル用のプログラムブロックはmicro:bitの基本ブロックの中にはなく、拡張機能に用意されているのでまずはそれをダウンロードしてもらった。ダウンロードが済んだら、LEDの色が全て同時に変わっていくプログラムや、並んでいるLEDがそれぞれ徐々に色を変えオーロラの様に光るプログラムなどを作ってもらい、ワニ口クリップを使ってmicro:bit接続し、実際に光るかどうかテストをしてもらった。プログラム完成後はアクリル板を指す土台を厚紙で組み立て、そこにネオピクセルを貼り付けたら、最後は自分で用意してきてもらった絵をアクリルの下に敷き、それをなぞる形でルーターを使いアクリル板を削って絵を写してもらった。削ったアクリルは土台に差し込むことで下に貼り付けてあるLEDの光を受けて線が浮かび上がる仕組みになる。まるでイルミネーションの様に光る様になったアクリル板はこれからやってくるクリスマスにぴったりの制作物となりました。

カマクラビットラボ_03

絵をなぞってアクリル板を削る。透明なアクリル板の下に絵を置き、それをなぞる形で削っていく。アクリル板が動かないようにマスキングテープで固定し、また安全のため保護メガネをかけて削っている。途中しっかり削れているか確認するためにアクリル板の端側から光を当ててあげると、削ったところがわかりやすくなる。

カマクラビットラボ_02

micro:bitを使ってアクリルを光らせているところ。生徒の制作した完成品。アクリル板を差し込んだ真下のところにLEDテープが貼ってありアクリル板全体に光が届くようになっている。

 

朝ファブ 

朝ファブ

重ねて貼り付けて厚みを出させたジグ。2.5〜6mmの板を切り出して14枚分切り出し、重ねてボンドで貼って厚みを出したもの。これをジグとしてアクリルを曲げていく。

個人的にFABOOTCAMPが終わっていなかったのでその続きをやることにした。ヘッドフォンの頭にかけるような構造のバンドが必要なので、それをアクリル板を熱で曲げてつくることになる。そのためのジグを作るためにレーザーカッターで薄い板(主にMDF)を何枚も切って重ねて厚みを出して作った。はじめのうちは不必要な部分まで含んでしまう無駄な切り方をしてしまっていたが、途中から土山さんのアドバイスにより曲げるのに必要な部分だけをつくるようにして、少ない板から多くの部品をとれる形に変更した。切り取った部品は重ねて、ボンドで貼り付けて、一つの大きなジグとなった。今後これを使って、バンドと馬がよくつけている目隠しの様なものを、アクリルを曲げて作っていく。

ブレ講座_02

FABOOTCAMPで途中だった制作物の完成品。なかなか終わらせることができずにいた制作物であったが、発表会という期限を設けたおかげでなんとか完成まで漕ぎつけることができた。3Dプリンタやレーザーカッターをはじめ電子工作やアクリルを熱で曲げるなど色々な手法を使って作ったので、これから始まるFabAcademyに向けてのいい練習になったと感じた。機能は部分的な目隠しをする代わりに超音波センサーで障害物を感知しブザーがなって教えてくれるという使い道の乏しい物ではあるが、アイデアを形にできたという点では自信になった。

 

ファブラボ鎌倉発表会

発表会_02

朝ファブ参加者の方の成果発表の様子 朝ファブに参加されている後藤さんがディープラーニングによる手書き数字の認識というテーマで発表されていた。用いられていた技術もさることながらインプットとアウトプットに関する表現がとても可愛らしく、目的の一つである子供というテーマにしっかりと寄り添っているという点が素晴らしいと感じた。発表会には自分でもやってみたいと思えるような思いにさせてくれるものが多くあり、とてもいい催しだなと感じた。

ファブラボ鎌倉では常時複数のプログラムが展開されている。それぞれのプログラムの関係者たちが自分の成果を持ち寄って発表する機会として毎年年末に発表会が開催されている。今回発表があったのは毎週月曜の朝に開催されている朝ファブから2名、1月から8月まで開催されているFabAcademyから3名、同時期に開催されているFabricAdemyから1名、鎌倉のファブシティ宣言に沿ってファブラボ鎌倉で進められているPrecious Plastic Kamakura Projectの一組、ゲストでいらしたブラジルで新しく開設されたFabLab Mauáのメンバーたちの一組、そして我々栗山町の一組だった。

発表会_01

Precious Plastic Kamakuraチームの発表 。2013年オランダで始まったプラスチックのゴミ問題解決のためのプロジェクトを日本でも行なっている鹿児島のダイナミックラボに習って、鎌倉でも行おうという取り組み。ペットボトルキャップを砕いてそれを射出成形し製品に生まれ変わらせるための機械を製作中で、現在できている部分をファブラボ鎌倉の山本さんがデモで見せてくださった。我々も年明けから手伝わせていただくので今から楽しみにしている。

ブラジルからいきなりゲストが来てくれるあたりが、国際的なファブラボネットワークの強みだなと実感しつつ、同時に地元鎌倉の住民の方が朝ファブやPlasticのプロジェクトに深く関わっていたりと、グローバルとローカルがうまく融合しているファブラボ鎌倉の姿に感銘を受けた。そして同じ場で栗山町の人間として発表させてもらえるということをとてもありがたく感じた。ちなみに私個人としては以前受けたFabootCampというプログラムの制作物が完成にいたっていなかったので、この発表会に合わせて完成させ、この場を借りて無事に発表することができたのでやり残しがなく年越しできそうで安堵している。

発表会集合写真

発表会集合写真

これまで移動も含めて多くの時間を割いてきたSBUとフィールドワークは今月で最後だったので、1月からはより集中して実際のものづくりに励める環境になるので今から楽しみです。FabAcademyが始まる1月の後半まで少し時間があるので、そこに向けてできる限りの準備をしたいと思います。

大掃除

メンバーで今年お世話になった建物の大掃除を行なった。ファブラボ鎌倉には梁などたくさん埃がたまりやすい部分があるのでそこの埃をなるべく落とせるように努力した。これですっきりと年を越せる気がします。

 

FabAcademyが始まる1月の後半まで少し時間があるので、そこに向けてできる限りの準備をしたいと思います。

 

それでは皆さん、良いお年をお迎えください!!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中