【鎌倉研修日記 vol.27】

7回目は、静岡県浜松市にあるファブラボ浜松にお邪魔して3泊4日の出張形式で大型CNCルーターで木材を切削して何か大きなものを作るという課題を行いました。それというもの、ファブラボ鎌倉では大型のCNC機材は騒音とスペースの関係で置くことができないので、ファブラボ間で連携してFabAcademyの制作を行っています。同じくファブラボ長野にも行った受講生もいるので、こうした連携もファブラボらしさでもあります。

授業動画 #7: コンピュータ制御されたマシン(CNC)の扱い方

computer-controlled machining (videoreview)

ファブラボ浜松までは、インストラクターのRicoさんと車で向かいました。沼津から浜松が意外と長いのですね。

浜松_道中

道中の一コマ 左:岡 / 中央:土山 / 右:リコさん

浜松_到着

ファブラボ浜松に到着!

今週の課題のCNCルーターとは、エンドミルを回転させながらX軸、Y軸、Z軸の3方向にコンピューターによる制御で動かし、切削を行う機械です。ファブラボ浜松には910mm × 1820mmの大型の板をそのまま加工できる機械があります。

浜松_インストラクション

ファブラボ浜松の運営者である、タケさんによるインストラクション

木材選びからする必要があり、私こと岡は前日の講義にてニール教授が安くて使い勝手がいいとオススメしていたOSBという種類の合板を選びました。

浜松_ホームセンター

ファブラボ浜松の近くにあるホームセンターに素材購入へ

そしてFusion360で3Dモデルを作り、そのデータから切削用のデータを書き出しました。切削データを作る際には、実際にエンドミルがパーツを綺麗に削り出せるように刃の通る隙間をきっちりととったり、板から勝手に外れていかないようにタブを追加したりもしました。

浜松_インストラクション2

作業風景

そして作ったデータはCAMというソフトウェアを通して、エンドミルの動きのデータに変換し、いよいよCNCルーターを動かしていくことになります。CNCルーターは危険な機械でもあるため、削り出す際には機械の周辺を気にしながら事故の内容に気をつけながら作業していきました。

2020年3月1週目_写真1_3Dモデル

Fusion360で作成したモデリングデータ

今回は大きなものを作るというテーマがあったので、自宅のキッチン用に作業台にもなる棚を作成することにしました。ヨコ30cm、タテ50cm、高さ80cmのサイズでネジや釘などを一切使わずに木の組み合わせだけで固定できるようにFusion360を使用して設計しました。

2020年3月1週目_写真2_ジョイント部のデザイン

ジョイント部のデザイン 

CNCルーターはエンドミルの仕組みにより内側の直角を削る際ことができません。そこで直角のものをはめ込むジョイントを作るためには少し多めに削り込んであげる必要があります。今回は切削がスムーズになるようにエンドミルがなるべく往復の動きをしないような形状のデザインを利用しました。

2020年3月1週目_写真3_カット用の2Dデータ

カット用の2Dデータ

Fusion360で作成したDXFファイルをInkscapeで開き、レイアウトをし直しました。エンドミルが6mmのサイズだったのでパーツ同士の間に両パーツの削り幅分の12mmとその間に残す分の6mmを合計した18mm分の余白を配置しました。

2020年3月1週目_写真4_MDFによる試作

MDFによる試作 

2Dのデータを準備できたので、そのデータを利用してレーザーカッタMDFで小さめのモデルを試作として作ってみました。ジョイントが甘かったものの、組み立ては可能だったのでこの形のままCNCルーターでも削り出してみることにしました。

2020年3月1週目_写真5_CNCルーター

CNCルーター 

ファブラボ浜松にあったCNCルーターは中国製の大型のもので、サブロク版と呼ばれる909mm×1818mmのサイズの板を削ることのできる機材でした。流通の多いサイズの板をそのまま削ることができるのでとても便利でした。

2020年3月1週目_写真6_エンドミル

エンドミル 

ファブラボ浜松のCNCルーターには6mmのストレートエンドミルが取り付けられていました。今回削ったOSB合板は何も問題なく削ることができました。切削中に折れてしまったのですが、削るスピードが遅くエンドミルに必要以上の熱が加わったことで折れてしまったのではないかという風に教えていただきました。

2020年3月1週目_写真7_CAMソフトウェア

CAMソフトウェア 

自分のパソコンで作成した2Dの切削データをCNCルーターに接続されたパソコンに入っているCAMソフトウェア(Cut2D)で工具の動きのデータであるツールパスのデータに変換しました。素材のサイズやエンドミルの動き方なども同時に設定しています。2Dデータにあったパスが閉じられていないという不具合もこのソフトウェア上で修正することができたり、カットされたパーツを固定するタブも簡単に作成することができたりととても便利なソフトでした。

dav

CNCコントローラー 

Mach3という様々なCNCルーターに対応可能なコントローラーソフトウェアを利用して切削を行いました。CAMソフトで作成したツールパスデータを読み込み、それがGコードという機械用のコードに変換されてCNCルーターが自動で動いていきます。エンドミルの初期位置の設定などは手動で行うため、このソフトウェアを通してキーボードでエンドミルの位置を動かしました。また動作中に何か危険な状態になった際にもこのソフトウェア上のボタンを使って緊急停止したりもします。

2020年3月1週目_写真9_OSB合板

OSB合板

木材はホームセンターで購入可能な厚さ12mmのOSB合板を選びました。木片を圧着して作られた合板で、加工もしやすく、また値段も2000円しないくらいで買えるので気軽に使える木材です。

dav

成果物 

木だけの組み合わせで無事に棚として組み立てることができました。ジョイントの形状が原因でタテの方向に力を加えると少し傾いてしまうのですが、マスキングテープで木に厚みをだしジョイントの幅を狭めたことで少し改善されました。接着剤も使用していないためいつでも簡単にバラしたり組み立てたりできる棚が出来上がりました。現在は実際に自宅のキッチンにて使用しています。

浜松_作業風景1

作業風景:岡

浜松_作業風景2

作業風景:土山

途中でエンドミルが折れるというハプニングがあったものの、削り始めたら順調に作業は進み、3時間弱で全てのパーツを削り出すことができました。削り出したパーツはバリがあるので最後にヤスリがけをして、組み立てられることを確認し、今回の課題は終了となりました。

浜松_ランチ

ファブラボ浜松のタケさんと休憩の一コマ

合宿形式の研修となりましたが、ものを作りながらラボを巡るのはなんだか楽しいですね。

 

 

 

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